This commit is contained in:
2026-07-03 00:38:05 +09:00
parent 87eacd39b2
commit 86cad348b4
149 changed files with 24450 additions and 105 deletions
@@ -0,0 +1,128 @@
---
source_url: "https://news.jp/i/1439493695220285689?c=39546741839462401"
ingested: 2026-07-02
sha256: db96db104deaa32552b07400669362c0a6e5971123fd62b3e4ca65be461f37c1
discovered_from:
platform: discord
channel_id: "1477793137064935675"
channel_name: tw
message_id: "1522034650149818431"
author_id: "1477793167486226708"
posted_at: "2026-07-02T00:22:18.632000000Z"
discovery_url: "https://t.co/O8V1rjBUGb"
context_url: "https://x.com/mirailist/status/2072452111582081426"
message_excerpt: "『成年後見制度に人生を殺された』記事。制度運用が本人と家族の生活にどう作用するかを直撃する社会的に強い一本として共有された。"
score: 2
score_reason: "公共性の強い成年後見制度・自治体運用の調査記事。現時点では既存ページに直結しないため raw-only。"
---
Published
2026/07/01 10:30:00
Updated
2026/06/27 10:41:20
[![](https://img.nordot.app/c_limit,w_400,h_60,f_auto,q_auto:eco/ch/units/39166791649591297/header_4.png)](https://news.jp/i/-/units/39166791649591297)
![](https://img.jp.ekkowassets.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1443415053758333910/origin_1.jpg)
「区長申し立て」で母親に成年後見人が付いた経緯について話す東京都港区の女性=3月
 認知症や知的障害などで、判断能力が不十分な人の財産管理や生活を支援する「成年後見制度」。後見を始めるには原則、本人や親族らが家庭裁判所に開始を申し立てる必要がある。
 しかし最近、本人や親族以外による、ある申し立てが、最高裁の統計で増え続けていることが明らかになった。居住地の市区町村長が利用開始を家裁に求める「首長申し立て」だ。本人に身寄りがなかったり、親族の支援が見込めなかったりする場合に行われる。昨年は制度開始以来、初めて1万件を超え、全体の申立件数のうち4分の1近くを占めた。
 背景にあるのは、孤立する高齢者の増加だ。各自治体がセーフティーネットとして、そうした人たちの保護に力を入れてきた結果ともいえそうだが、中にはトラブルになるケースもある。何が起きているのだろうか。(共同通信=大根怜)
![](https://img.jp.ekkowassets.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1443414795128357507/origin_1.jpg)
**▽ホテルも航空券も自分で手配していた母が…**
 「母の人生も私の人生も、後見制度に殺されたようなものです」
 今年3月、東京都港区に住む40代女性が取材に応じてくれた。
 女性によると、母親は精神的に不安定で、2022年に起きた些細なトラブルをきっかけに、区が「後見が必要」と判断。区長による申し立てで、第三者の弁護士が後見人に就いた。
 母親はすぐに精神科病院に入院させられ、女性が後見人に入院先を聞いても「大丈夫だから」と言うだけで教えてもらえなかった。母親の携帯電話も取り上げられたため、面会どころか話すらできない日々が続いたという。
 「入院の数カ月前、母は1人で故郷の福岡に旅行し、ホテルも飛行機のチケットも自分で手配していた。判断能力がないわけがない」
 女性はそもそもの区の判断に疑問を抱いていた。
 オンラインでようやく5分間だけ面会が許されたのは入院から1年半後のこと。その後、支援者の協力を得て居場所を突き止め、母親は昨年5月に退院することができた。その際、女性は母親からこう打ち明けられたという。
 「あなたが私を邪魔に思って、入院をさせたんだと思っていた。あなたの幸せのために(病院生活を)我慢していたのよ」
 女性が経緯を説明すると「そんなに捜してくれたの。ありがとう」と正座して謝ってきた。帰り道で買った和菓子を食べながら「すごくおいしい」と喜んでくれた姿が忘れられない。母親はその3カ月後、肺がんで亡くなった。
 本人に頼れる親族がいる場合、首長申し立ての対象とはならない。この母親はなぜ対象となったのだろうか。
 港区に取材したところ「個別事案には答えられない」との回答に終始したため真相は不明だが、女性は「区は、私が母を虐待しているとみていた」と話す。
 つまり、母親を早急に保護すべきケースと判断した可能性がある。だが女性は「虐待なんてしていない」と否定。その上で「家族の事情も知らない自治体の勝手な判断で申し立てるのはおかしい」と唇をかんだ。
![](https://img.jp.ekkowassets.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1443414972374073879/origin_1.jpg)
**▽「自分で判断できる」と拒否したのに…**
 同じ港区で、区長が申し立てた成年後見制度では、こんなケースもある。
 三谷昌平さん(93)は区内の一軒家で1人暮らし。妻に先立たれ、連絡の取れる家族はいない。2023年4月、三谷さんは栄養失調で倒れ、入院することになった。その際に悪性リンパ腫が見つかり、港区は三谷さんを「要介護5」と認定。後見人が必要だと判断し、区長申し立てで弁護士が三谷さんの後見人に就いた。
 三谷さんは申し立て前から「自分で判断できる」と訴え、後見を拒み続けていた。にもかかわらず、区は東京家裁に提出した書類の「本人の意見」という欄で「賛成」にチェックを入れていた。「後見人等候補者についての本人の意見」も「賛成」となっていた。
 三谷さんは取材に「賛成したつもりは一切ない」と否定。入院中、区の担当者や病院職員から「後見人を付けないと退院させない」と言われ、何も答えずにいたところ、一方的に手続きを進められたと主張している。
 後に東京家裁の調査官がまとめた報告書にも「勝手に後見人を選任された」という三谷さんの声が記されている。
![](https://img.jp.ekkowassets.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1443415126892495795/origin_1.jpg)
成年後見を巡り、東京都港区を提訴した三谷昌平さん=3月
**▽自力で後見を取り消し、区を提訴**
 三谷さんは後見開始後、後見人が作った口座に自分の年金が振り込まれるようになったことなどに「財産を奪われた」と感じ、自ら家裁に後見取り消しを申し立てた。
 精神科医の鑑定を受けると、判断能力に応じて分けられる「後見」「保佐」「補助」のうち、最も軽い「補助」に相当する結果だった。昨年1月、家裁は審判で後見を取り消した。
 三谷さんは今年3月、「不要な成年後見で財産管理の権利を奪われ、精神的損害を受けた」として、区に100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
 訴訟で区側は「三谷さんの入院中、区長申し立てに対する意向確認をしたところ、『お願いしたい』と了承していた」と主張。双方の言い分は対立している。
 三谷さんは「人の穏やかに暮らす権利や財産を奪うのが区政なのか」と訴える。
 港区で、区長申し立てを巡るトラブルが相次いでいることは区議会でも取り上げられた。区は近く外部の専門家による調査を実施する方針だ。
![](https://img.jp.ekkowassets.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1443414869431910836/origin_1.jpg)
東京都の港区役所
**▽法改正で本当に利用をやめられる?**
 最高裁が毎年公表している成年後見の状況によると、昨年の首長申し立ては計1万139件で、初めて1万件を超えた。全申立件数は約4万3千件。首長によるものが23・7%を占め、本人からの24・8%に次ぐ2番目の多さだった。
 成年後見制度が始まった2000年度には申立人は子や兄弟姉妹、配偶者など親族が大半で、首長は23件だけだった。当時から比べると、大きな変化だ。
 家裁別に見た首長申し立ての割合を見ると、青森が最も高く45・0%。次いで徳島43・4%、釧路38・8%。最も低かったのは京都で11・4%だった。
 成年後見制度の利用者数は昨年末現在、25万9901人。前年より2・3%増えた。ここ十数年増え続けているが、現行制度は「一度後見が始まったら基本的にやめられない」と使い勝手の悪さが指摘されてきた。
 そのため、制度を見直す改正民法がこのほど国会で成立。現行の「後見」「保佐」「補助」を「補助」に一本化し、家裁が「必要なくなった」と判断すれば終了でき、家族らも終了を申し立てることが可能になる。改正法は公布から2年6カ月以内に施行される見通しだ。
 ただ、制度利用者の家族らでつくる「後見制度と家族の会」の石井靖子代表は「家裁がいったん決めたことを、本当に途中でやめられるのか」と疑問を抱く。自身も港区の女性と同じように、養父に付いた後見人の意向で面会が制限された。
 石井さんはこう話す。
 「改正案には、私たちの声が反映されていない。後見をされる本人や、家族の声も聞いてほしい」
 家裁による後見人の選任に対し、本人や家族が不服を申し立てられるルールの創設などを求めている。
![](https://img.jp.ekkowassets.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1443414730550084379/origin_1.jpg)
最高裁判所=東京都千代田区
**▽成年後見に頼らずに済む社会を**
 首長申し立ての増加は、孤立する高齢者を救済しようと、自治体側が積極的に動いている面もある。最近は身寄りのない人の終活をサポートする事業を始めた自治体も出てきた。
 家裁別に見た首長申し立ての割合が全国トップだった青森県。青森市の担当者は「孤立する高齢者が本当に増えた」と実感を込めて話す。首長申し立ての手続きは必要な書類も多いため、職員の負担も増しているという。
 熊本市は、後見制度の周知に力を入れる。住民や医療関係者らを対象に、成年後見に関する出前講座を実施。昨年度は計8回で220人ほどが参加した。担当者は「制度が浸透してきているのではないか」と話す。
 首長申し立ての対象になるような高齢者は今後も増えていくことが予想される。成年後見や高齢者支援はどうあるべきなのか。
 制度に詳しい日本大の清水恵介教授はこう話す。
 「成年後見制度はいろいろな支援の仕組みがある中の補充的な役割でしかない。本来、支援の在り方は本人の自己決定に基づく形が望ましい」
 その上で「理想は、地域ぐるみの支援など、成年後見に頼らずに済む方法を少しずつ増やしていき、首長申し立てが必要ない社会をつくり上げていくことだろう」と話した。
© 一般社団法人共同通信社
[![](https://img.nordot.app/c_limit,w_300,h_300,f_auto,q_auto:eco/ch/units/39166791649591297/profile_4.png)](https://news.jp/i/-/units/39166791649591297)
[47NEWS](https://news.jp/i/-/units/39166791649591297)